握力を鍛える粘土「パテ」とは?

上肢のリハビリ

リハビリテーションの現場で、

リハビリ用(治療用)粘土を使ったり見かけたりした人は

意外と多いのではないでしょうか。


個人的に、握力が15㎏以下の方だったり、高齢者の方には

うってつけの握力強化アイテムだと思っています。


このページを見ていただけると、以下のポイントが理解できます。

握力の弱い人(15㎏以下の人)にパテが「最適」である理由がわかる
握力がどのくらいの時に、どの色のパテを使うと効果的なのかがわかる
 

それではさっそく解説していきます。

握力を鍛える粘土「パテ」がリハビリに使われる理由

リハビリ用粘土は、「パテ」「セラパテ」とか「セラプラスト」という名前で

呼ばれています。

パテ、と呼ばれることが多いかもしれませんね。

なぜ「リハビリ用」と銘打っているのか?というところなのですが、

これらの専門の粘土は色が何色かに分かれていて、

色によって固さが変わってきます。


つまり、固さを変えることによって負荷を変えて、

自分に合った強度で握力強化を行ったり手先の運動をしたり、

ということに応用できるので便利です。


また、普通の粘土のように乾燥したり固くなったりすることがありません。

容器がありますが容器の外に出しておいても乾くことはありません。

可塑性が高く、容器にいれて放っておくと元の形に戻ります。

衣服についたりすると大変ですが、掌につくくらいならペタペタとパテの塊を

くっつければすぐとれます(オイルシリコンが含まれており、水洗いなどは

できません)。

爪の中に入り込むと色が残ったりするので、

可能なかぎり爪は切ってから使ったほうがいいでしょう

(握力・指の力が弱いと爪切りも大変なんですが)。


セラパテを使ったリハビリの方法

どのようにしてリハビリに使うか?というと、

「手全体で握る」「つまむ」「丸める」「両手でちぎる」「伸ばす」

という使い方がメインになってくるでしょう。


その使い方によってもリハビリできる箇所が変わってきます。

色によって固さが変わり、

更に、粘土なので手のいろんな動きが引き出せます。

ちぎって小さく丸めて潰せば指に特化した動きもできますし、

テーブル上に平べったくして指を外に開いたり内に開いたり

することもできます。

丸いセラパテを、テーブル上で棒のように両手で

伸ばしていくと、

両腕全体の運動にもなります。


これが、握力強化にピッタリであると考える理由です。


ボール握りでの握力強化はすごく簡単なんですが、

ただただ握る→ゆるめるという運動になりがちです。

手の動きというのは、握る・開くだけではないですよね。

いろんな動きが引き出せて「手の必要な動きと筋力を引き出せる」

のがセラパテの特徴です。


たとえば臨床だと上記の使い方以外にも

セラプラストの中にビー玉やおはじきを

入れておき、それを患者さんに探して取ってもらう・・・

ということをしたりして手先の運動を促したりもします。

セラパテの硬さは、現在の握力で選べばいい

下に、握力別に最適なセラパテの硬さ(色)を載せています。


セラパテの硬さは、

「現時点で、握力がどれくらいなのか」

で決めたほうがいいでしょう。

けれど、全種類揃えるのはコスパが悪いので、

2種類~3種類くらいで留めておいたほうがいいと思います。


下記は、現在の握力と選ぶべきパテの固さの目安です。

 

細かく分けていますが、

例えば握力5kgくらいの人だったら緑(ミディアム)でも

もう一つ上の段階の青(ファーム)のどちらかを選択する、

でもいいと思います。


さすがに握力5kgの人が黒(スーパーファーム)を

準備すると固くて扱うのに大変です。

まずは別の固さのものでトレーニングして、握力がついてきてからでも

選択は遅くないと思います。

セラパテを使ったトレーニングの効果について

目安として、

セラプラストで午前午後20分ずつ、あるいは1日1回30分くらい

トレーニングすれば、1か月くらいすると握力6㎏くらい

だった人も12~15kgくらいに改善します。


もちろん、それ以上改善することもありますし、

関節の動きが悪かったりそもそもの体力がないと

そこまで強化できないこともあるので、あくまで指標としてですね。

余談

皮膚疾患があるとか、粘土を直接触るのに抵抗があるという方は、

手袋をはめてから使用するといいですね。


素手で触ったり握ったりしたときの手からの感覚入力もとても大事なのですが、

単に握力を鍛える目的で使用するのであれば

手袋自体は特に問題はありません。

高齢者でもできる、握力の鍛え方
高齢の方でも気軽にできる、簡単な握力のトレーニング方法をお伝えしていきます。

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