注意機能のリハビリにも使える「神経衰弱」

神経衰弱とは

トランプで、神経衰弱というゲームがあります。

カードを裏にして並べておき、カードはどこにあるか?

というものを記憶しておいて、当てていくゲームです。

もちろん当てたら、自分の手数にできてもう一回めくれる、

というのが一般的なルールかと思います。

これらのルールは、注意機能の訓練に用いることができます。


神経衰弱の特徴とは

神経衰弱というゲームの特徴は、

「どこにあるのか記憶しておかないといけない」

「当たったら、自分のものにする」

「当たらなかったら、裏に返して、次は相手がめくる順」

というものです。

ですので、勝手にどんどんめくったりしない、とか

記憶しながらゲームを進めるという注意力が必要になってきます。

ただ、記憶していなくてもただめくるだけでもゲームは一応

成り立ちます。たまたま同じカードを引き当てるということも

あるからです。


このように、トランプというのは注意機能が必要になってきます。

どこに何があるか?を記憶しながら、自分がめくったり、

順番を守って相手にめくらせたりということをしなくては

ならないからです。

脳梗塞や脳出血、あるいは認知症になると、これが非常に難しい作業に

なってきます。


トランプの絵が分かりにくい人もいる

例えば、このカードは全く同じカードです。

どちらも「ダイヤの9」ですね。

ところが、人によっては記号(情報量)がたくさんあって、

分かりにくいカードともいえます。

つまり同じカードなのに、この二つが同じカードに見えない人もいるのです。

こういう場合は、まったく同じカードをそろえるのではなく

「ダイヤが揃ったら当たり」という風に、より簡単に

分かりやすいマークで揃えるルールにしてもいいでしょう。

数字でもいいです。


しかし失語があったりすると数字を当てたりすることも苦手に

なるので、本当にシンプルなマークだけが

描かれているカードだけで神経衰弱をしたり、

枚数を限りなく少なくする(8枚程度)など、考慮しなくてはなりません。


ルールを無視してしまう場合

次に、注意機能障害が強く、抑制がきかなくなっている場合には

ルールを無視してどんどんめくってしまう人もいます。

これは、作業を必要に応じて「セーブ」する機能が障害されているからです。

この場合には、「めくらずに」相手に順番を回す、ということになります。


そういう人に対しては、「カードが揃わなかったので、元に戻しましょう」と

伝えて、元に戻してもらいます。

「次は、私の番です」とまた声掛けをしてめくります。

「当たったから、もらいます」とか「外れたから、元に戻します」とか

逐一声掛けすることが必要になってきます。

少しずつ、自分でセーブできるようにしていきましょう。

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