橈骨神経麻痺のリハビリテーション

橈骨神経とは?

橈骨神経というのは、頚椎(首の骨)から鎖骨の下を通って、

さらにわきの下のほうを通過します。

そして上腕の外側を通り、指先(親指側)のほうへと走っていきます。


橈骨神経麻痺の原因

橈骨神経麻痺というのは

別名Saturday night palsy(土曜夜のマヒ)という

なんともムードな名前がついているのですが、

これは休みの日の夜に恋人を腕枕して

ゆっくりと休んでいたら、起きたときには

その腕枕の影響で麻痺が起きている・・・という状態を

表したものになります。ハネムーン麻痺ともいわれたりしますが、

麻痺自体は非常に回復が緩徐で、

なかなか治らない麻痺にやきもきすることもあるでしょう。


しかし多くは飲酒した日の夜にうたたねをしてしまい、

その間ソファのひじ掛けなどで腕を強く圧迫し、

その長時間の圧迫の影響で麻痺が起きることが多いです。

その他、外傷などで神経が断裂してしまったり、

骨折した際に神経も一緒に損傷してしまうことも

あるでしょう。


橈骨神経麻痺の回復の過程

橈骨神経麻痺がどのようにして回復していくか?

というのは神経の損傷具合にもよります。


神経が完全に外傷などで断裂しているならば、

その神経を縫合しなくてはなりません。

あるいはなにか腫瘤のようなもので物理的に

圧迫を受けていたりするならば

その圧迫の原因を取り除かなければ

いくら治療を施しても回復はなかなか

難しいといえるでしょう。

神経の再生は1日1mmと言われます。ですから

高位損傷(首側に近い損傷)であればあるほど

時間がかかるともいえます。

3か月ほどで回復する場合もあれば、半年~1年くらい

場合も少なくありません。


橈骨神経麻痺の症状とリハビリテーション

橈骨神経麻痺は、リハビリテーションが必要です。

リハビリテーションは拘縮予防、筋萎縮予防のための低周波治療、

装具療法などが挙げられます。

橈骨神経麻痺というのは下垂手(かすいしゅ)といって

手がだらんと下がってしまい自分で手首を返したりすることが

できなくなる症状があらわれます。

ですから、その位置で関節が固まってしまったりしないように、

予防のために動かしたりカックアップスプリントという

装具を使って手首を背屈位(手首を少し返しているような

状態)にしたりします。


また橈骨神経というのは手首を返したり手指を伸ばしたりする

筋肉に信号を送る役割を担っていますが、

神経からの信号の伝達が難しい状態なので、

その筋肉が働きにくくなってしまいます。

なので手首を伸ばしたり指を伸ばす筋肉の筋力が

衰えてしまいがちなのです。

ですから、代わりに低周波というものを使って

筋肉を動かします。低周波は手首を返す筋肉の上にパッドを貼り、

電気を送ります。筋肉を動かすことによって、

筋力の衰えをできる限り軽減させることが

できるのです。ですから低周波をかけている間は、

自分で返せない手首がピクピクと伸びたりします。


またリハビリテーションと並行して、ビタミンB12の投与が行われることも

多いです。なぜならビタミンB12は神経の回復に寄与するからです。

回復がある程度進んできて、

自分で手首を返すくらいの力がついてきたら、

徐々に筋力強化に移行していきます。

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