簡単な二重課題のリハビリ

二重課題のリハビリとは

二重課題とは、「何かを行いながら、何かをする」

というものになります。

何か一つのことに集中するのではなく、別々のものに集中し続ける

機能を働かせることでそういうことができます。


「誰かと会話しながら自分の目の前にきた食事を食べる」

「電話口で誰かと会話しながらメモをとる」

「前方から来る人を避けながら、目的地まで歩く」

それらはすべて、注意機能を働かせることでできる

作業になります。


ところが注意の容量というのは限界があるので、

厩戸皇子(聖徳太子)のように5人~10人の話を少しも

漏らさずに記憶し的確な答えをだす、というような

ことが可能な人間はいません。

それどころか、二人の話を同時に聞き分けることすら難しい人も

いるでしょう。

もし、脳梗塞などで脳の障害を受ければ、注意機能というのは

落ちる可能性があります。一見普通に見えても、

運転などの高度な注意課題だと大変だという場合もあるのです。


そこまででなくとも、

簡単な二重課題が大変になることもあるでしょう。

簡単な二重課題のリハビリをまとめてみます。


文章の二重課題

ひらがなの文章や文字列を作り出し、

「文字列のなかに出てくる“あ”に〇をして

“た”に△をつけてください」という課題を出す

これだけでも見落としたり、正しいチェックが

できないこともあります。

もっと難しくするなら、“あ”は青色の鉛筆で、

“た”は赤色の鉛筆でチェックしてもらうように

することで段階づけることもできます。

あれ??どの文字に、どの図形でチェックをするんだっけ?

と忘れる人もとても多いので、

そういうときは文字列の前に指示を書いておくのも

いいでしょう。

運動の二重課題

音声を聞きながら、“み”という単語が出てきたら

机を叩く

たとえばテープに録音した音声を聞き、

“み”という単語が出てきたときにだけ

机をタップする、という課題があります。

しっかりと音声を聞くことと、

机を忘れずにタップするという

二つの課題をこなさなくてはなりません。

ミスが減ってきたかな?ということを知るには

録音した文章の見本を手元に置いておき、

誰かが正確な場所で叩かなかった数や正確でない

ところで叩いた場所や数をチェックする必要が

あるでしょう。

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