病院に長期入院はもうできない?
入院をしていると、すぐに退院の話が出たり
転院の話が出たりということがあります。
これは、病院側の都合なのでしょうか。
入院というのは、病気やケガの種類によっても
期間が変わり、地域でその病院の果たしている役割、
機能によっても変わります。
早期退院の理由
病院というのは、基本的に「ケガや病気が完全に治るまで
生活できる場所」ではありません。
今は早期に退院することがどこでも求められます。
空いている場所があればどこでもベッドを置いて
入院させられるというわけではありません。
病床数とは病院ごとに決められています。
新しい患者を受け入れる病床を確保しなくてはなりませんし、
なにより医療費というのは現在国にとって頭の痛い問題です。
当然ですが、医療費をすべて個人で払っているわけではありませんね。
代わりに国が負担している部分が大きいわけです。
ところが、国の財政を一番圧迫しているのは医療費です。
ですので、国は医療費を削減するための決まり事をどんどん作ります。
病院に長く入院させないような仕組み作りも同じことです。
高齢者がどんどん増えてくるから、病院は大儲かり・・・というような
イメージは間違いです。
入院期間が長ければ長いほど、病院の得は少ない状況になっています。
病院というのは今、逼迫した状況にいるのです。
ですから病院の回転をできるだけ早くする必要があるのです。
転院の理由
病院によっては、入院加療が必要な期間だけ入院をしてもらい、
その後はすぐに転院してもらうというシステムをとる
病院もあります。
もちろんですが入院加療が必要なのに無理やり追い出す、
というようなことはよほど問題を起こさない限りはありません。
急性期ならどこの病院でもどのような人でも受け入れる
というわけではありませんし、
病院によってできる措置というのは限られてきます。
必要な急性期の処置のみ行って、
あとはリハビリ(自宅や施設で生活ができる段階まで)が
できる病院に転院・・・ということは多くあります。
介護予防の必要性
国というのは上記の理由もあり、
できるだけ医療費をかけるのを避けたいのですが、
高齢化社会、高齢社会、超高齢社会と段階が進み、今度は
団塊世代が高齢者となり、より医療費にお金がかかることが
予想されます。
なので、できる限り入院という形よりも前段階で
対策を練りたいのです。
そこで、「介護予防」・・・つまり、介護が必要になる
前の段階での予防や、介護が必要になってもできるかぎり
入院の機会を減らすような工夫が必要になってきます。
生活がしやすくなるような、ケガや病気になりにくいような
対策も自ら行う、周りが配慮することも重要になる
ということです。
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