脳卒中になると、なぜバランスが悪くなるのか?

バランスとは

「バランスが悪くなる」というと

どういうことを想像するでしょうか。

上手に歩けなくなってすぐ倒れてしまうことでしょうか。

座るときにまっすぐ座れずどんどん傾くことでしょうか。


脳卒中になると、どちらもありえます。

しかしなぜ脳卒中になるとバランスが崩れるのでしょうか。

人というのは、姿勢を保つために必要な神経機構が備わっています。

そういうシステムが、すでに組み込まれているということです。

そしてそのシステムというのはいくつもあります。

何も病気を持っていない人が、目を閉じてもバランスを保っていられるのは

そのシステムのおかげでもあります。

何かものを取ろうとして手を伸ばしている間にバランスをとるのも、

転びそうになって「おっとっと」と立ち直ることができるのも

そのシステムのおかげです(もちろん筋力なども必要になってきます)。


脳卒中になるとバランスは悪くなる

ところが脳卒中というのはこれらのシステムがうまく

働かなくなってしまいます。

神経機構の働きですから、脳・神経がダメージを受けてしまう

脳卒中はそのバランス機能の根幹に対して基盤を

失ってしまいがちである、ということになります。

さらに麻痺も出てくるとなると、麻痺を起こしていないほうの

手足でバランスをとるしかないこともありますから、

なおバランスをとりにくくなります。

もし、麻痺を起こしていないほうの力も弱かったり、

関節がかたくてうまく曲がらない、伸びないということだと、

よりバランスというのは取りづらくなります。

もちろん脳卒中というのも程度によりますから、

まったく後遺症が出ない人だとこのような問題も

起きにくいこともあります。


感覚障害の影響

感覚障害、というのはわかりにくいかもしれません。

たとえば、3時間正座をし続けるとします。

足が最初はじんじんしてきますが、途中からじんじんしているのか

感覚がないのかわからなくなってきます。

しびれすぎて、痛みなのかしびれなのか明確な区別もできなくなるでしょう。

その状態で、立ってみるとよくわかります。

まっすぐ立てる人はいないはずです。

これはしびれだけの影響ではありませんが、床に足をついている

感覚もないということは立つということにも

影響を及ぼします。


そのほかにも、

高次脳機能障害やその他さまざまな要因も影響し、

よりバランスを崩しやすく・転倒しやすくなります。

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