注意機能とは
注意機能とは、さまざまな脳機能の基盤となるものです。
注意機能が働かないと、さまざまな生活動作に影響を及ぼします。
下の図は神経心理学的ピラミッドと呼ばれるものです。
注意力、は下から三番目に位置しています。
下にいけばいくほど神経心理学的にいう「基礎」「土台」となります。
つまり注意機能に障害があると、上の階層の情報処理や遂行機能に
大きく障害が出るということになります。
注意機能は種類によって分類されています。
注意機能の分類
持続性注意
注意の持続力、集中力のことです。
注意の持続力がないと注意を向けてもすぐ注意がそれたり、
作業に集中力が続かないと事態も招きます。
これを持続性注意障害といいます。
選択性注意
様々な刺激の中から、自分にとって必要な刺激だけを選び取る機能です。
たとえば店内で様々な人が会話する中で、目の前にいる友人の声だけを
聞き取り会話をする、行為がこれに当たります。
ひらがなの中から“あ”だけを選んで〇をつけてください、といったような
課題でも様々なひらがなの中から“あ”だけを選び取ることができるのは
この選択性注意の機能です。
選択性注意障害があると、ひらがなの中の“え”に間違えて〇をつけて
しまったりすることもあるでしょう。
転換性注意(転導性)
注意を向けていた刺激から、別の刺激に注意を向けるという
機能です。
人と会話をしながら歩いていて、携帯電話が鳴り始めたから
会話を中断し携帯をすぐ取る、というのはこの機能が働いています。
転導性注意障害があると、この注意の切り替えというのが
非常に難しくなり、何か作業中に声掛けをされてもなかなかそちらに
注意が向けられないといったことにもなります。
分配性注意
何か一つのことに注意しながらもう一つのことにも注意を向ける、
といったものです。
電話口で相手の声を聴きながら、メモをとる、などといった
二重課題に用います。
分配性注意障害があると二つ以上のことに同時に気を配ることが
困難となり、どちらか一方しか遂行できないということもあります。
注意機能には容量がある
注意機能といっても、
注意障害がなければいくつもの課題が間違いなく、問題なく
できるわけではありません。注意機能というものは容量があって、
確かに注意障害があると容量は小さくなりがちです。
そして注意障害がなくても容量以上の働きは困難です。
何も問題がない人なら5人の会話を聞き分けて正確にメモする、
といったようなことは不可能です。2人との会話でも怪しいでしょう。
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