廃用症候群の主な原因

廃用症候群とは

廃用症候群とは、「心身の不使用・不活発によって機能低下を起こした病態、

安静の害といってもよく、ほとんどすべての機能でみられる」。

と定義されています。

上の図は、寝たきりを構成する要素を表したものです。

大腿骨の頸部骨折後の安静や術後に安静にしていた時間が長く

そのまま寝たきりになるケースというのはありますが、

それ以外にも痛みがあったり一度転んだから

もう歩くのが怖い、ということで歩く機会が少なくなってしまい

活動量が減り、ちょっと散歩しただけでも息苦しくなってきて

余計に出歩くのも億劫になり・・・という悪循環の結果

寝たきりになるケースもあります。

そのほかにもメニエール病のめまい発作が起こるために

寝ているか嘔吐するかしかない期間が続く、

そのことで寝たきりになってしまうということもありますし、

抑うつ状態になって寝ていたら、いつのまにか立ち上がることさえ

難しくなっていた、ということもあり原因は多様です。


過剰な安静が生む弊害

安静というものは術後や骨折後は必要になることがあります。

しかし必要以上に安静時間が長くなると、今度は不活動による

悪影響が人体に及びます。

悪影響というのは主に呼吸・循環器系への問題、自律神経系への

刺激がうまくいかないことでのバランスの問題、皮膚への褥瘡(床ずれ)

の問題です。

また精神面でも、抑うつや睡眠障害、認知症、精神症状の悪化などが

上げられます。

また、家族が必要以上に転倒を気にしたり、介護負担が重くなることを

危惧するために「あまり活動的にならないでほしい」という意味合いで

歩行練習をしなかったり歩行機会を設けずに車いす移動を

求めたりするケースもあります。


意欲がないから寝たきり状態になり、寝たきり状態になっているから

余計に動くのが身体的にも精神的にも面倒に感じるようになり・・・

というサイクルというのは機能低下が進めば進むほど

なかなか断ち切るのが難しくなります。


廃用症候群も、リハビリの対象

ケガや病気をしていなくても、

この廃用症候群というのもリハビリの対象になります。

廃用症候群を起こせば、確実に生活の質というものも低下しますし

それに対するリハビリテーションが確実に必要になって

くるからです。

リハビリテーションでは、まず廃用症候群を起こしている人に対して

主体性をもって生活してもらうことに重きをおく、

ということが重要になります。

歩けなくても、ベッド上で自分で寝返ってもらったりすることは

自分で行ってもらう、自分で行えないなら

せめて介助を受ける間に協力だけはする、などと

負担のすくない運動から始めてもらうことも必要です。

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