後だしじゃんけんのリハビリの効果
後だしじゃんけんとは、一方がじゃんけんの手「グー」
「チョキ」「パー」を先に出し、
もう一方が後からじゃんけんの手を出すゲームですね。
以前、テレビのバラエティ番組でも後だしじゃんけんをやって
いましたが、高次脳機能障害や認知症がなくても
なかなか高度なゲームです。
特に「負けるように出す」後だしじゃんけんは
脳(前頭葉や後頭側頭野、小脳半球など)
への負荷がよりかかり、注意機能や遂行機能の訓練になります。
後だしじゃんけんの段階付け
「あいこ」→「勝つ」→「負ける」の順で
後出しじゃんけんは、後から出す人の脳機能のリハビリを
促します。
まずは、後出しで「あいこ」を出してもらいます。
あいこは相手と同じ手を出せばいいので、比較的
簡単です。次は、後出しで「勝つように」声掛けします。
後出しで勝つのは一瞬相手の手を見て自分が何を出せば
勝ちになるかを考えなくてはなりません。
さらに、じゃんけんは“勝負”ですから、自然と勝つための手を
出そうとするのが自然です。
そこで、最後に一番脳負荷がかかるのが後出しで「負ける」
ことです。
後出しで負ける手を意図的に出すとなると、勝とうとする脳のシステムを
抑制して、負ける手を考えたうえで出さなくてはなりません。
非利き手で出してもらう
たとえば右効きの人が右でじゃんけんの手を出すのと、
左でじゃんけんの手を出すのとでは
また脳の活動部位や負荷が変わってきます。
利き手で出す慣れてきたら、左手に変えて後出しじゃんけんを
するのもいい段階付けです。
前に出した手を出し続けてしまう「保続」
高次脳機能障害の症状で、「保続」という症状が出ることがあります。
たとえば、後出しで勝つように声掛けして後出しじゃんけんをした後、
今度は「負けてほしい」と提示しても
ずっと勝つための手を出してしまい、それが修正できなかったりします。
あるいは一番最初に「グー」を出すと、それ以降ずっとグーをい
出し続けてしまう、ということもあるのです。
これを保続といいます。
コメント