腕を上げるとき、
動いているのは腕の骨だけではありません。
実は、背中側にある肩甲骨も同時に動いています。
医療従事者くらいしか聞き慣れないとは思いますが、
いわゆる、外転・上方回旋とよばれる動きになります。
肩甲骨が外側に、上のほうへ向いていく、というような感じです。
で、この肩甲骨の動きが悪いことで、
腕が上がりにくくなったり
肩の痛みが出たりする人もいます(関節内インピンジメント、
というような言葉で表現されますが)。
なので、痛みをとったり、肩の運動・・・つまり
腕がよく上がるようにするためには、
肩甲骨がちゃんと正しい方向に、十分な量動いているのか?
という視点を持つことも重要になってきます。
肩甲骨の運動が制限される原因
肩甲骨の運動にはいろんな筋肉が関わっています。
なので、それらの筋力がなんらかの原因で弱くなっていると、
当然肩甲骨の動きは悪くなります。
筋力低下だけでなく、これらは麻痺においても同様のことがいえます。
あとは肩甲骨の動きに関わる筋肉の柔軟性が低くなっているとか。
肩甲骨の上方回旋を妨げる原因がある・・・
たとえば下方回旋に働く筋肉、肩甲挙筋や菱形筋の力が入りすぎている
(過緊張)とか。
なぜ、肩甲骨の動きが悪いと痛みが起こる?
腕を動かすとき、普通は、
肩甲骨は腕の骨・・・つまり上腕骨と一緒に動きます。
肩甲骨というのは上腕骨を受け止める関節窩があります。
なので上腕骨と一緒に肩甲骨が一心同体になって
動くわけですね。
腕がどんどん上に上がっても、最後まで
上腕骨頭を支え続けるというイメージでいいと思います。
ところが、上記の理由で肩甲骨の動きが悪くなると、
上腕骨頭ばかりが動くことになってしまい(というと極端ですが)、
肩甲骨の関節窩、つまり受け皿が
適切な方向を向けなくなります。
そうすると肩甲骨に対して上腕骨の動く割合が高くなり、
関節内の負担が高くなります。
そうすると、痛みが生じやすくなるわけですね。
どちらもセットで動くことで、
関節に優しい動きができる、というわけですね。
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