高齢者でもできる、握力の鍛え方

上肢について

みなさまこんにちは、作業療法士のお茶々です。


私は整形外科に勤めていますが、

高齢で握力が弱かったり指の力が弱かったりする方から

こんな声を聞いたりします。

・洋服のボタン留め・外しができない
・ペットボトルのフタを開けることができない
・包丁で食材が切れない
・爪切りをするときが怖い
・お箸やスプーンをうまく掴むことができない
・うまく字が書けない

・・・という”訴え”ですね。


今回は、そのような「手の力が発揮しにくい」高齢の方や

「高齢の親にもできる簡単な握力トレーニングはないか」という方に

向けて、握力強化の方法をお伝えしていきます。


そもそも、この記事を高齢の方が検索して見ていらっしゃるとも

思えないので、おそらく「高齢の握力の弱い方へのトレーニング方法」を

提供したい方が大半でしょう。


下記の内容を読んでいただいて、実践してもらうことで、

「握力を強くする」ことが出来ます。

そしてそれが、日常生活でできることを増やすことに繋がっていくので

日常生活の不便ごとを減らしたい、という方は

参考にしてください。


ここで、「手の力が発揮しにくい」とはどのくらいの握力を

指すのか、決めておく必要がありますね。


リハビリ分野などでは、例えば「包丁で固い野菜を切る」だと

15kgくらいあるのが理想的だとされています(大根くらいは

15㎏くらいあれば切れますが、

カボチャなどだと15㎏ってちょっと怪しいな・・・

リハビリ場面でよく思うのですが)

ということでこの記事では、「握力15kg以下の方」を対象にして

お伝えしていきます。


もちろん、高齢者だけでなく握力が15㎏以下の方もできますよ!

高齢者でもできる、握力の鍛え方

握力を鍛えるには、前腕の筋肉を使うことと、

手・指の筋肉を使うことが重要になってきます。

ボールを握る

コストもかからず、どんな高齢者の方にも

簡単にできるのは「ボール握り」です。


使うボールは、「スポンジボール」であれば

「ぎゅっと握ると芯が少し硬いかな」と

感じる程度のものがベストですね。

ゴムボールもお手軽ですが、「ボールなんて

ウチにないよ!」という人もいるかもしれません。


ボールがなければ、350mlペットボトルに水を入れ、

タオルを巻いて輪ゴムで留め、

それを握るのがベストです。

1日20回を3セット(朝・昼・夜)を1週間やるだけでも、

(特に握力が5kg以下の人ほど)力がついてきます。

ペットボトル運動

先述のペットボトルは、前腕の筋肉をつけるのにも最適です。

テーブルの上に前腕を置いて、

手首を返す動きだけやるのが最適です。

※ここでは入れる水の量は調整して、負荷を変えましょう。


可能なら、腕を浮かして手首を返したり下におろしたりと

やるのもいいですが、

はっきりいって高齢の方が腕を上げ続けるというのは

酷な運動です。

行うなら、テーブルの隅に、腕をナナメにおいて

手首を上げ下ろしするといいでしょう。


肩から腕全体が疲れてきたり余計な痛みを引き起こすことが

あるので、テーブルの上に前腕を置きながらが

いいと思います。

雑巾絞り

これも主に前腕の動きになります。

雑巾でもタオルでもいいので、

絞る動きを20回×1日3セット繰り返します。

リハビリ用粘土「パテ」を使う

パテは「セラパテ」という名前でも売られていて、

握力強化に特化した治療用粘土です。

外に放置していても絶対乾かない。こねても硬さはそのまま。

色によって硬さが変わります。

参考記事はこちらをどうぞ。

握力を鍛える粘土「パテ」とは?
握力を鍛えるリハビリ用粘土「セラパテ」についての解説と、硬さの選び方をお伝えしていきます。

余談

痛みが強くなったら、炎症が起きている場合もあります。

そういった場合の対処方法もお伝えしていきます。

また、神経麻痺を起こしている場合は握力強化が難しい場合が

あります。

トレーニング後に痛みが強くなったら

運動後に痛みやだるさが強くなった場合、負荷が強すぎるか、

回数が多く筋疲労を起こしている状態かもしれません。


痛いときは右の手首や左の手首の熱感を比較して、

明らかにトレーニングしている側の手首が熱っぽかったり

する場合は、運動後に毎回アイスパックや保冷剤をミニタオルでくるんで

熱感がある部分に当ててゆっくり冷やしたほうがいいです。

ただ冷やしすぎはよくないので、10分程度に留めましょう。


だるさが強くなっている場合は、

運動回数が多いかもしれないので、ちょっと回数を減らして

様子をみましょう。

神経麻痺がある人には向かない

脳梗塞後遺症などの麻痺の方や橈骨・尺骨・正中神経麻痺の方は

「筋肉が弱い」というよりも神経から筋肉にうまく信号が

伝達されないために「筋肉がうまく働けない」状態なので、

上記の握力訓練ではなく、

また少し違った手法(神経の回復)の

リハビリテーションが必要です。


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「精度の高い」握力計はどれ?という疑問を解決するページです。

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