脳卒中のリハビリテーションの方法

脳卒中のリハビリテーション

脳卒中のリハビリテーションといっても、脳卒中自体がとても様々な

症状を引き起こす疾患です。


脳卒中とはどういう病気なのか

片麻痺、という症状を目にしたことがある人は多いかもしれません。

片方の手足が思うように動かせなかったり、というのは目に見て

分かりやすい症状といえます。

しかし脳卒中というのは脳機能に直接的にダメージを与える疾患です。

たとえば後頭葉という部分は目から入ってきた視覚的情報を捉える場所で、

目は正常でも目に入ってきた情報を捉えることができなくなります。

半側空間無視といって、これも視力はどうもなくても、

右片麻痺なら右側が認知しにくい、

左片麻痺なら左側が認知しにくい、などといった症状が

出たりします。食事場面で左側だけキレイに食べ残す、というような

場面として表出しやすいですね。

もちろん発症部位、ダメージを受けた部位によって

どのような症状が出てくるかはある程度決まっているのですが、

ダメージを受けた場所が広範だと症状も多種多様になってきます。

それら一つ一つに対処が必要なのです。


脳卒中を起こしてからどれくらい経っているか

そして脳卒中のリハというのは急性期、回復期、維持期と

脳卒中を発症してどれくらい経っているか?

という部分でもリハビリテーションの内容が変わってきます。

たとえば急性期などでは、バイタルサインといって

生命維持のための機能に異常をきたしやすい状態といえます。

ですからリハビリテーションも積極的に行えない場合もあるのです。


超急性期では寝ている状態から起こすことさえ危険なこともあります。

病院にいながら、二度目の出血や梗塞を起こす場合も

あるのです。

それくらい、発症してすぐは全身的に不安定な状態でもあります。


回復期のリハビリテーションはバイタルサインが安定して、

症状が改善していく期間になります。

この時に正しい運動の仕方を体に覚えさせたり、

麻痺の回復を進めたり、脳(高次脳機能)のリハビリテーションを

進めていきます。

維持期などになると、症状はある程度回復し

固定されていることが多く、

症状に対するリハビリテーションよりも環境に適応するための、

生活していくためのリハビリテーションに切り替えていかなくては

なりません。また、そのための環境調整も必要になります。


麻痺の回復は筋トレとは異なる

麻痺を回復させるために、やみくもに体を動かすよりも

正しい運動の仕方を覚えることが何より重要です。

なぜなら脳卒中のリハビリテーションは、体のリハビリテーションとは

異なります。

体を動かす分、その体の使い方を脳が覚えていきます。

間違った使い方をしていると、脳のネットワークが再構築されている間、

その間違った方法を覚えていき、関節を痛める方法だったり

力任せに動かす方法ばかりでの運動しかできなくなります。

あるいはすべてを努力的に行っていると、全身的に力が抜けなくなり、

余計にうまく体を動かしたり歩くことができず、転倒に

つながる恐れもあります。


脳卒中のリハビリテーションというのは、

起こした本人の地道な努力が必要です。

麻痺の回復というのは劇的に進むわけではありませんから

行っている途中でモチベーションが下がったりすることも

あるでしょう。

そして周りの支えが十二分に必要になってくる病気でもあるのです。

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